元脳外科医であり、東大元教授。頭脳明晰、才学非凡のエリートの先生が若年性アルツハイマー病になり、昨年逝去されるまでの話が、介護されていた先生の奥様によって描かれています。アルツハイマー病になり、教授職を最後まで全うできず、知識、地位、職を失った。しかし、むしろ全て失ったことで「あるがまま」を得て、人生の本質に触れたように感じられたと、奥様は述べられています。「認知症になったら人生は終わり」「恥ずかしい病」という考えは誤りだとも。
アルツハイマー病を公表し、全国で奥様とともに講演にいかれ、ありのままを表現され、多くの人を励まされていました。
若井先生は最後実に穏やかな顔で旅立たれ、先生のリビングウィルには
「生きることは死することであり、死することは生きることである」と記されていたとのことです。