同志少女よ、敵を撃て

今年の本屋大賞に選ばれた本です。現在、ロシアがウクライナに侵攻していますが、そのウクライナ周辺を舞台に、第二次世界大戦中のドイツがソ連に侵攻する史実をもとにした物語です(この本はロシアのウクライナ侵攻の前に刊行されています)。実際にソ連には女性の狙撃兵がいたようで、ソ連の女性狙撃兵セラフィマが主人公です。題名で、敵を撃て、とありますが、ナチ・ドイツだけが敵ではなく、また人それぞれに敵と味方があり、一方で敵も味方もない人もいます。敵とは何なのかということを考えさせられます。物語の導入では鬼滅の刃を思い出し、セラフィマは竈門炭治郎です。後半はドキドキしながらあっという間に読み進んでいき、最後はそうくるのかと。「沈まぬ太陽」「白い巨塔」などで有名な山崎豊子さんのように背景をしっかりと調査され、凄く読みごたえのある面白い本でした。本屋大賞として納得のいく凄い本だと思いました。

 

 

 

2022年08月06日