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ビゲロイの研究

先日、通勤中のラジオから興味深い話が流れてきました。ビゲロイ(Braarudosphaera bigelowii)という海の小さな藻の研究者である高知大学の萩野先生という方の話です。誰にもできなかったビゲロイの培養に成功されています。

ビゲロイはとてもユニークで特別な生物のようです。窒素は、遺伝子や筋肉、タンパク質などを構成する生命に必須の元素の一つですが、ビゲロイは窒素を呼吸するだけで体内に直接取り込めて利用しているとのことです。人間は呼吸で、大気中に多く含まれている窒素を酸素とともに大量にすっていますが、体内には全く取り込まれず全て吐き出されます。そのため生命に必須の窒素を肉や魚から摂取します。ビゲロイは呼吸をするだけで海水中の窒素を取り込み、そして成長することができるわけです。


今回、萩原さんとアメリカの研究者らの論文が有名な科学雑誌のScienceに掲載されました。ビゲロイの培養の成功によって、さらにビゲロイの研究が発展されます。今後もっともっと研究が進めば、食糧問題や環境問題など地球規模の課題の対策にもつながっていくことも期待されています。

ラジオを聞いていて、ビゲロイのユニークさと同様に萩原先生のこれまでの研究人生もとても興味深いものでした。

2024年11月04日